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環境先進国デンマークの今 Denmark 2009.10

ソネボー市『 Project Zero 』イメージ1 ソネボー市『 Project Zero 』イメージ2 ソネボー市『 Project Zero 』イメージ3
ソネボー市『 Project Zero 』
ソネボー市では2029年までにCO2を出さない街にしようという
街ぐるみの壮大なプロジェクトが進んでいます。

ドイツとの国境に近い街ソネボー市、人口約27.000人ほどの美しい小さな港町です。そこにAlsionと名づけられたモダンな建物が海に面して建っています。大学やコンサートホール、市議会などが入っている多目的ビルです。私達はその中にある『Project Zero』のプロジェクトマネージャー・ロッテさんを訪ね直接お話を聞かせて頂きました。

このプロジェクトは2007年夏ロッテさんを含むたった2人からスタートしましたが、わずか2年経った今ほとんどのソネボー市民が参加し着実に実績をあげてきています。各産業や農業、建築、運輸、教育などの分野から80人を募り分野毎にリーダーを置き市民から多くのアイデアを募集し具体的な目標を立てて進めます。市民はビジョンを共有し意識を高め目標に向かって毎日の生活を送っているのです。

例えば建築の分野では世界中から優れた建築家や学者、企業を募り自治体や金融機関等と協力して、又大学(開発・技術・経営)のバックアップを受けながら港開発がスタートしています。古い建物を残しながら未来を見据えた都市計画が始まったのです。建物の断熱についてはデンマークの建築基準法より約2倍の厳しい基準を設けているのだそう。又112家族がゼロエネルギー住宅に住みテストケースとしてリポートを出しながら日々の生活の中でのエコを追求しています。その上、デンマークで最初となったプラスエネルギー住宅を建設し実際に1家族に生活をしてもらいながら現在様々な測定結果のデーターがとられています。そこでは何と天井・床に60cm、壁には45cmの断熱材を入れ屋根にソーラーパネルを設置し蓄熱式床暖房としていますが、実際につくるエネルギーが消費エネルギーを上回っているのだそうです。その家を外から見せて頂きました。

原子力発電を持たない国デンマークでは2050年までに風力発電を全体の70%とする目標を掲げていますが、ここでも2015年までに25%という具体的な目標に向けて努力をし続けています。又太陽エネルギーや豚のフンを利用したバイオマス、水素エネルギーなど様々なクリーンエネルギーの開発や保管技術にも力を注ぎ、子供の頃からの環境教育や市民を対象としたエコセミナーなども頻繁に開催され意識を高めているとのこと、日本がこれから進むべき方向がはっきりと見えた気がしました。

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  • ソネボー市『 Project Zero 』サブイメージ1
  • ソネボー市『 Project Zero 』サブイメージ2
  • ソネボー市『 Project Zero 』サブイメージ3
  • ソネボー市『 Project Zero 』サブイメージ4
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