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気の向くまま『デンマークの今』を探して at Copenhagen 2019.6

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コペンで訪れた3軒のヒュッゲな住まい
古い集合住宅や戸建て住宅をリノベーションして美しく住まう

まずは女性建築士(24歳)ラーベクさんのお住まい、5年前に古いマンションを購入しリノベーションしました。現在は女友達と二人暮らしで維持費(住宅ローンなど)の半分を家賃としてもらい仲良く楽しい共同生活をしています。さすが建築士というだけあって半端なく素晴らしいセンスを持ち、壁の色は自分で調合するほどのこだわりです。購入時にはなかったキッチン、バスルームをつくり壁・天井は漆喰で仕上げました。

一番大切に思っている部屋は? 一日を静かに終えそして始めることができるベッドルーム、サイドテーブルに花は欠かしません。部屋づくりで大切なことは? 窓から入る自然光、部屋は構成するモノだけでなく空間としてとらえシンプルながらも家族や友人、旅先での思い出が詰まったヒュッゲであふれていました。イギリスでも建築を学んだ彼女は旅が大好きで日本にも2度訪れたのだそう。デンマーク内外での様々な経験を通して人生をより豊かに重ねている様子が見てとれ、未来がどれだけ素晴らしい可能性に満ちているか私でさえ想像しただけでワクワクします。

次に訪問させて頂いたのは中心から車で10分ほどの閑静な住宅地にあるこれまた素晴らしい住宅。私好みのデンマーク家具や調度品でしつらえられた美しいインテリアと素晴らしい裏庭を眺めながらの暮らしぶりに終始ため息の連続でした。お手入れの行き届いた庭はどこを切り取っても美しくご家族の愛情の深さが感じられます。60歳代前半のご夫婦と二人の息子さん、そして可愛いお孫さん(5歳)が最高のおもてなしで迎えてくれました。建築関係のコンサル会社を経営するご主人と子供歯科で働く奥さま、ご長男は建築業界で電気エンジニア(主に照明)として働いていて、今日か明日にはおふたりめが生まれるというかっこいいお父さん、次男さんは大学で環境と経済を学んでいて現在卒業論文に取り組んでいます。

ご主人がみんな大好きなフレスケスタイ(クリスマスの伝統料理)を作っていて下さりご家族と一緒に頂きながらおしゃべりを楽しみ、これが“ヒュッゲ”という感覚だと心の根っこで感じることができました。私もこんな風に人をもてなし幸せな気持ちにしてあげられる人間になりたいと今更ながら感じた瞬間でもありました。ヘンリックさんをはじめご家族の皆さん、心よりありがとうございます。

最後に伺ったのはコペン郊外にあるお住まい。1957年に建てられた118㎡の住宅を増築し現在は166㎡(ロフト収納含む)2階建て。飾り気のないとても素敵なご夫妻(60歳代前半)が迎えてくれました。お子さんは皆さん巣立たれ現在は仲良く二人暮らしをしています。建築関係の仕事をされているご主人がこの家を購入された頃や増築・リノベーションした時の写真を広げて丁寧に説明して下さいました。

エントランスホールを入るといきなりキッチン、これも素敵で結構暮らしやすそう!アイランドキッチンには美味しそうなお料理やスナック、果物が美しく用意されていました。キッチンの窓から見える庭や道路向かいの家との距離感が日本ではなかなかない贅沢空間です。お手入れの行き届いた庭も色んな工夫がされていて勉強になることがいっぱい、今後の家づくりに生かせていきたいとメモや写真を撮りためました。壁には30㎝の断熱が入れられ木製サッシはトリプルガラス入り、1階は床暖房を施してあるとのこと、寒い冬も快適に暮らせるデンマークスタンダートな高性能&持続可能住宅です。半地下にある奥さまの趣味のお部屋やご主人自慢の地下室ワインセラーにはヒュッゲの種が満載でした。

盛りだくさんな至福の長い一日を終え、私たちがこれから向かう先がまた少しクリアに見えた気がします。日本でデンマーク住宅を提案している私たちにしかできないこと、家づくりを通してより心豊かな暮らしをお伝えしていく責任、そして何より人として社会と関わりながら自分らしく幸せに生きていくすべについてもっと真剣に考えここを目指してブレずに進んで行きたいと痛感しました。

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  • コペンで訪れた3軒のヒュッゲな住まいサブイメージ3
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