ユトランド半島を南下しドイツとの国境近くにオーベンローという小さな海辺の街があります。ヨットハーバーがありデンマークにはめずらしく少し小高い丘もあるとても美しい街です。私たちはその街に３日ほど滞在し、その周辺にあるハウスメーカーのモデルハウスやサマーハウスを見学したり、キッチンやサッシ、フローリング、カーペットなどのメーカーを訪ねました。又、古い住宅を改装してモダンに暮らす美しい住宅や最新のエネルギー計算をクリアしたローエネルギー住宅やパッシブハウスなどもたくさん見ることができました。

デンマークでは今、エネルギーをいかに使わないで快適な住空間をつくるかということに国をあげて取り組んでいます。太陽熱、地熱、風、水、土、光、植物、そういう自然の力を最大限生かすという昔の人々の知恵と工夫を見直し家づくりに取り入れようとしているのです。もちろん断熱性や気密性はより厳しい基準を設け、増改築工事と言えどもきちんとその性能を満たさねければ確認申請が降りないそうです。２００年以上も昔から受け継がれたあの童話に出てくるような可愛い住宅も実は中身は最新のハイテク住宅だなんて驚きました。

ここでは、オーベンローで見た美しい家々をまとめました。この旅でたくさん素晴らしい住宅を見ることができましたが、私はこのオーベンローで見た昔ながらの素朴さをもったそして優しく人を癒してくれる、こういう住宅がやっぱり好きだなあと思いました。ものを大切に長く使うということはエコロジーを考える上で何よりも大切です。私たちはここ日本でも長く受け継がれる住宅をつくる為に断熱性・気密性をもっと充実させ、時代を超えて通用するデザイン性を持った住宅を建てていかなければいけないと再確認しました。