ヨーロッパの風景europe view
遊びの中で楽しく学ぶ先進国スウェーデンの幼児教育
in Stockholm 2024.9
歴史的建造物を守り自然と共生し持続する都市
旧市街ガムラスタン・最先端のエコタウン・伝統料理ミートボール
歴史と自然が調和する美しい都市スウェーデンの首都ストックホルム、14の島々と50を超える橋によって成り立つこの街は水辺と緑が豊富で「北欧のヴェネツィア」とも称されるほど、中心部の旧市街ガムラスタンは13世紀に起源を持ち、17世紀から18世紀に建てられた石造りの建物や狭い石畳の路地が特徴的で、このエリアをはじめとする歴史的建築物はストックホルムの文化的遺産として慎重に保護されており、修復や改修が必要な場合でも外観や伝統的なデザインを最大限に維持することで街の歴史的景観を守っているそうです。
一方で、ストックホルムは環境先進都市としても知られ持続可能な街づくりにおいて世界的なリーダーシップを発揮しています。2009年には、EUが定めた「グリーンキャピタル」に初めて選出され、以来その地位をさらに強固なものにしています。この街ではエネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの利用が進められ建築には断熱性能の高い素材や省エネルギー技術が導入されており、これにより古い建物の快適性とエネルギー効率が改善される一方で、伝統的な外観はそのまま残されるのです。交通面でも環境に配慮した取組みや整備が進むストックホルム、私たちが初日に借りた大型バスはバイオガス燃料を使用していました。その他バイオディーゼル、菜種油、廃油などが再利用され化石燃料は使用しません。もちろん電気バスやハイブリッドバスの導入も進んでおり、自転車専用レーンやレンタサイクルの普及により移動手段として自転車の利用が推奨され、さらに中心部では車両通行を制限する「都市通行料制度」が導入されて大気汚染や交通渋滞の削減に貢献しています。
私たちが最後に訪問したプレスクールは、かつてはガス会社で栄えた地域の跡地を再利用した持続可能な都市開発が行われているロイヤルシーポート(Royal Seaport)にありました。旧ガス会社の美しい煉瓦建築は現代のニーズに合わせて改修され新たな住宅や商業施設、公共スペースとして活用されています。このプロジェクトは過去の産業遺産を持続可能な未来のために再利用する優れた成功例として環境保護と都市再生のモデルケースとし高く評価され、気候変動対策とエコライフの実現を目的とし2030年までに二酸化炭素排出量をゼロにする計画を掲げているのだとか。再生可能エネルギーの活用やエネルギー効率の高い建物、公共交通の充実、自転車利用の促進が特徴で住民が環境保護に積極的に参加できる仕組みを整備し未来志向の都市づくりを進めています。住宅地に設けられた指定の投入口に各自が分別してごみを入れると、地下のパイプラインを通じて中央収取施設に送られる仕組み(真空式地下パイプラインシステム)を導入。緑豊かな美しい住宅地の裏にはこんなハイテクが人々の生活や環境保全を支えていました。
ストックホルム最後の夜は海に面した美しいグランドホテルのレストラン「ベランダ」で美味しいディナーを頂きながら、あっという間の1週間を振り返りながら楽しくおしゃべりを楽しみました。初日のディナーで頂いた伝統料理「ミートボール」、オーガニックレストランでの野菜たっぷりな美味しいランチ、プレスクールでこども達と同じランチを頂いた素晴らしい経験など等、ここでのぎゅっと詰まった充実の時間をこれからじっくりと紐ときながら、これから進んでいくこども園建設プロジェクトでしっかり活かしていきたいとワクワクしています。この場をお借りして今回の研修に関わった全ての皆さまへこころより、ありがとうございます。
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