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遊びの中で楽しく学ぶ先進国スウェーデンの幼児教育 in Stockholm 2024.9

高齢者施設と庭を共有する保育園
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高齢者施設と庭を共有する保育園

年齢差を超えた交流で良い影響を与えあい文化や知恵を後世へ繋ぐ


高齢者福祉施設Ersta Sunnan Hemmet に向かう中まず目に飛びこんできた風景、それは2階のバルコニーで椅子に座り庭で遊ぶこども達を眺める男性の姿でした。こうして日々こども達の元気な声を聴き刺激を受けることが高齢者にどれだけ良い影響を与えるかは図り知れません。自治体が建設したこの建物は1階の一部をプレスクール(Jensen Forskola Snattringe)、そして園庭の一部を共有するというとても理想的なつくりとなっています。

2012年に完成したプレスクールは園児140人の比較的大きな園、1~3歳児のクラス(10人から15人が3クラス)に対してそれぞれ保育チーム3人、3~4歳児も同様、そして4~5歳児は21人から22人が2クラスをそれぞれ3人の先生が担当しています。どの部屋からも園庭が見えるよう設計されており3つの園庭の内1つは高齢者施設と共有しています。日々の活動は国のカリキュラムに沿って進められ、算数、言語、思いやり、自然・環境、社会、健康、芸術・文化の7つの項目についてマークを使ってわかりやすく、こども達が楽しみながら遊びの中で成長できるよう組み立てられています。クラスが多い為、アトリエや水遊び場はデジタル予約システムで管理され少人数で利用できるようになっているとのこと、また広々としたダイニングルームにはこども達の座る場所が決められおりブッフェスタイルでランチを楽しみます。クラスの名称は星の名前が付けられていましたよ。

高齢者施設とはドア1枚で仕切られており、1週間に2度こども達56人と先生12人で高齢者(10の部屋)を訪ね、小さい子は歌を歌い大きい子は高齢者と一緒に創作活動をしたり音楽に合わせて一緒に遊んだり踊ったり、また伝統行事(夏至祭など)も一緒に祝ったりメイポールを草花で飾ったりもするそうです。それ以外にも一緒に絵を描いたりそれぞれの部屋で飼っている熱帯魚や小鳥のお世話をしたりもします。このような交流から生まれる双方の利点は数えきれません。例えばいつも無表情なアルツハイマーの高齢者はこどもが来ると急に笑顔になりまるで別人のようになるのだそう。価値観や流行を知ることができ活動量が増え心理的にもポジティブな影響があるようです。こども達にとっても伝統文化や生活の知恵を学ぶ機会が増え、異世代との交流を通してコミュニケーション能力が高まり精神的にも安定し思いやりの気持ちを養うことにも繋がるということです。このように双方にとって情緒や社会性、健康等様々な面での高いプラス効果が既に実証されています。またこうしたアクティビティはアプリを使って保護者にも知らせるとのことです。

一方高齢者施設は10部門に分かれており内7部門は病気を持っている人、3部門は認知症の人が入所しています。看護師やリハビリ士(医学療法士)は常駐しておりドクターは週に一度来ます。ここでは夫婦で利用する場合も同室にはならないそうですが、家族は自由に訪ねることができお酒も飲めて家と同じように暮らしを楽しむことができます。フライデードリンクと言って金曜日は音楽を聴きながらお酒を飲む日だそうで何だか楽しそうですがアルコール依存症の方には要注意!また陽あたりが良く見晴らしも素晴らしい共有のリビングスペースには暖炉があり、座り心地の良さそうなソファが置かれ窓辺には可愛いお花が飾られていました。ここで友達や家族とおしゃべりしたり本を読んだりして、わが家に居るかのようにのんびり過ごしている高齢者の姿が目に浮かぶようです。

さて、ここで暮らすマリアさんのお部屋を見せて頂きました。彼女のお部屋はとてもあたたかな雰囲気でこれまで自宅で使ってきた愛着のある家具や調度品、大切な家族や友人の写真、そして彼女自身が描いた絵がたくさん壁に飾られていました。車いすでお部屋を案内してくれる表情はとても明るく幸せそのもの。「この施設はとても人気で何年も待って入所することができました。日々の暮らしにとても満足しています。」と嬉しそうに話してくれました。

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