リビングは高い吹き抜け天井からデンマーク製 LE KLINT のペンダントを6個吊りリズム感を強調しました。どんな風に家具を置いてもいい配慮です。テラスドアの向こうにはお施主さまが大切に育てているみかんが緑鮮やかです。

洗面台は真っ白いタイルと機器でスッキリまとめました。コーラー社のトイレはデザインが良くより清潔感を感じます。窓の向こうには将来は樹が生い茂り涼しげな表情を見せてくれることでしょう。窓はスウェーデン製トリプルグラスサッシです。

今回のこの住宅は費用を抑える為に色々な配慮を致しました。その一つはこの天井の杉板です。バラ板と呼ばれる板を大工さんが丁寧により分けて磨いてくれました。予想以上に仕上がりが良く大成功でした。壁仕上げもEP（水性ペイント）をローラーで皆で汗だくになって塗りました。

100角（白）という一番安いタイルですが藍色のボーダーを２本入れることでとてもハイセンスになりました。ボーダーと同じ厚みの棚板を埋め込みすっきりとまとめました。この棚には調味料を並べる予定です。窓からは裏山の緑がとて美しくお台所仕事を楽しくさせてくれることでしょう。

玄関からリビングにかけて全く段差のない床に致しました。磁器タイルで仕上げ土足仕様です。温水セントラルヒーティングを採用し、床の下には温水配管が埋設してあります。高い吹き抜け天井であっても冬は足元がポカポカで雪の日でも家の中ではTシャツ一枚でお過ごし頂けます。

杉板の天井、白いペンキ塗り壁、北欧パインの木製サッシ、イタリー製磁器タイル、和紙の暖かさを持つクリントのペンダント．．．。本当にシンプルなので外の緑がより鮮やかに映え壁に絵を飾られたり、グリーンを置かれたり、お好きな布を梁から下げてみたり、どんな家具を置かれてもとてもしっくりと馴染むように思います。これからが個性の出しどころです。

和室は少しほのかにベージュ系水性ペンキで仕上げました。和紙の襖､イサム・ノグチの提灯､和紙ブラインド、全て同系色でまとめました。畳の縁もベージュピンクで優しい雰囲気に仕上がっています。窓下に温水パネルを配し暖房も完璧です。窓からの和紙越しのやわらかな日差しが心を落ち着かせてくれます。畳にゴロンと寝っ転がってお昼寝をしたい気分です。

リビングとダイニングキッチンの間に杉板のブ厚いカウンターを取り付けました。これはお施主様が以前されていたお店で使われていた想い出深い品です。杉の無垢材で黒くペイントされていたものをきれいに削り落とし又新たなカウンターとして再出発です。物を大切にする心そして本物の素材の持つ魅力は新しい物と共存を果たしこれからも尚生き続けて行きます。